【よく見るやつ】YouTubeでよく見るアニメーションの正体を解説する【Vyond】

こんにちは、飯田さん(@iida_shi)と申します。

私は、このアイキャッチにあるようなキャラクターが登場するアニメーションを制作しています。

日本では特に「スカッと系動画」のような理不尽な状況への制裁劇や、本の要約動画でよく使われるホワイトボードアニメーションとして、多くの人が目にしたことがあるかもしれません。

結論から言うと、こちらのアニメーションは『Vyond』というソフトで作られています。

左からビジネスフレンドリー、ホワイトボードアニメーション、コンテンポラリーと呼ばれるアニメーションスタイルで、Vyondを契約するとこれらのアニメーションが使えるようになります。

「このアニメーション、どうやって作ってるの?」
「いつも見るアレって、こんな仕組みだったのか!」

そんな声をよくいただきます。

実は私は2020年2月からVyondを使ったアニメーション制作を続け、80社以上の企業のプロモーションや社内教育、YouTube発信などに関わってきました。さらに、YouTubeでは5年間にわたってこのアニメーションの作り方や活用法を発信しています。

では、なぜこのアニメーションはこんなに人気なのでしょうか?
そもそも、このアニメーションの正体とは?

この記事では、その謎を紐解きながら、あなたが「見たことある!」と感じるアニメーションの秘密を詳しく解説していきます。

当記事で使用するVyondのスクリーンショットは、Vyondの学習を目的とし、Vyondのガイドラインに沿って使用しています。

目次

Vyondの基本情報

最初に、Vyondはどのような歴史をたどり、今の形になったのでしょうか?
そして、数あるアニメーションソフトの中で、なぜVyondがここまで支持されているのか?

その秘密を、Vyondの歴史や特徴とともに詳しく見ていきましょう。

Vyondの歴史と変遷

2007年、Alvin Hungという人物が、当時GoAnimateという名前でこのサービスを立ち上げました。

きっかけは意外にも、奥さんのためでした。

「アニメーションを作ってほしい」という奥さんの願いに応えようとしたものの、アルビンは絵を描くことができませんでした。

そこでAlvinは考えました。

Alvin
Alvin

なぜアニメーションは、絵が上手い人やプロのアニメーターだけのものなんだろう?

この素朴な疑問から、誰でも簡単にアニメーションが作れるツールの開発がスタート。2007年半ばには『Go!Animate』として正式にサービスを開始しました。

元々はこのようなテイストのアニメーションでした。
現在このスタイルでアニメーションを作ることはできませんが、英語圏のYouTubeチャンネルを見ていると、今でもこのテイストのアニメーションの復活を望んでいる声がたまに散見されます。

2018年に『Go!Animate』から『Vyond』に改名しました。

そして現在、Vyondはビジネスに特化したアニメーション制作ソフトの中で、独自のポジションを確立しています。

プロ向けのAdobe AnimateやCinema4Dなどと比べると機能は限定的ですが、その分、手軽に高品質なアニメーションが作れる点で、特に企業やクリエイターから支持を集めています。

AlvinはVyondについてTED Talksでこう話しています。

Alvin
Alvin

これまでアニメーションはエリート集団に支配されてきた。絵を描く才能があり、複雑なソフトウェアを扱える人たちだ。私たちはアニメーションを民主化し、一般のユーザーがアニメーションを使って自分のアイデアを表現できるようにしたいと考えています。

まさにVyondのおかげで、あなたも簡単にアニメーションを作ることができます。

特徴的な機能

Vyondの最大の特徴は、その使いやすさにあります。

例えば、キャラクターを動かしたい場合、画面上で数あるアクションコマンドを選ぶだけ。複雑なアニメーションの知識は必要ありません。

こちらは私がVyondを使って30分で制作したアニメーション。

また、ビジネスシーンに特化したテンプレートが豊富なのも特徴です。

会議室でのプレゼンテーション、オフィスでの会話、研修風景など、ビジネスに関連する様々なシーンがテンプレートとして用意されています。

Screenshot

実はVyondで作れる動画はこのスタイルだけでなく、YouTubeで人気なホワイトボードアニメーションも制作できてしまいます。

活用方法の広がり

Vyondの活用シーンは、大きく3つに分けられます。

まず1つ目は、企業での活用。
社内研修やマニュアル動画、商品説明など、ビジネスシーンで幅広く使われています。

特に海外では、この用途が主流となっています。

例えば、新入社員教育や、コンプライアンス研修など、実写では撮影が難しいシーンもアニメーションなら簡単に表現できます。

こちらは実際に私が制作した、自社に適した助成・補助金を探してくれるサービスの紹介動画。

2つ目は、教育分野での活用です。学校の授業用教材や、オンライン講座のコンテンツとして使われています。

特にコロナ禍以降、オンライン教育での需要が増加。分かりやすい説明動画を手軽に作れる点が評価されています。

こちらは私が制作した英語圏の子どもへわかりやすく算数を教えるための動画です。

3つ目は、エンターテインメントでの活用。

特に日本では、YouTubeでスカッと系動画や本の要約動画としてよく使われています。

最近では、TikTokやYouTube Shortsなどのショート動画でも人気です。キャラクターの表情や動きを工夫することで、ドラマチックな演出が可能なんですね。

Vyondがクリエイターたちから評価される理由

Vyondは数あるアニメーション制作ツールの中でも、特に多くのクリエイターに選ばれています。その人気の秘密を、制作のしやすさ・視聴者への伝わりやすさ・ビジネスでの実用性という3つの観点から解説します。

クリエイター視点

Vyondは、アニメーション制作の経験がない人でも扱いやすいのが大きな魅力です。

まず、豊富な素材がすぐに使えるため、ゼロからデザインする必要がありません。ビジネス向けのキャラクターからカジュアルなものまで、数千種類のキャラクターや背景、プロップ(小物)が用意されています。テンプレートも充実しているので、手軽にプロレベルの動画を作ることができます。

1つの完成したアニメーションをそのまま使うことも可能

さらに、直感的な操作でアニメーションを作成できるのもポイントです。例えば、キャラクターを歩かせたいときは「歩く」アクションを選んでドラッグ&ドロップするだけ。複雑な設定は不要で、アニメーションの専門知識がなくてもスムーズに動きを作れます。

そして、コストパフォーマンスの高さも見逃せません。実写動画のように撮影場所を確保したり、出演者を手配したりする必要がなく、一度作った動画は何度でも使い回し可能。修正も簡単にできるので、長期的に見てもコストを抑えられるのが魅力です。

視聴者視点

動画は、作りやすさだけでなく「視聴者に伝わりやすいかどうか」も重要なポイント。
Vyondのアニメーションは、視聴者が直感的に理解しやすい設計になっています。

まず、シンプルで親しみやすいデザインが特徴です。キャラクターの動きや表情がはっきりしているため、感情が伝わりやすく、ストーリーに没入しやすいのが魅力。

特にスカッと系動画が人気なのは、この分かりやすさが大きな理由の一つです。

また、情報の整理がしやすく、理解がスムーズなのもアニメーションならではのメリット。例えば、企業研修や教育コンテンツでは、複雑な概念を図解やアニメーションでわかりやすく伝えることができます。テキストだけの説明よりも、視覚的に訴えることで、理解度が格段に上がります。

例えば、こちらはVyondで制作したグラフアニメーション。

「説明が長くなりがちで、視聴者が途中で飽きてしまう…」そんな悩みも、Vyondのアニメーションなら解決できます。

ビジネス的観点

Vyondは、企業向けの活用にも適しており、研修・マーケティング・説明動画など、幅広い用途に対応できます。

特に、ビジネス向けのテンプレートやキャラクターが豊富な点が強み。プロモーション動画や社内研修用の動画も、短時間でプロフェッショナルな仕上がりにできるため、多くの企業が導入しています。

また、低コストで高品質な動画が作れるというのも重要なポイント。

通常のアニメーション制作は、ゼロからデザインし、プロのアニメーターに依頼するため、費用も時間もかかります。しかし、Vyondなら、従来の1/3〜1/2のコストと時間で動画を制作できるため、新規事業やスモールビジネスでも導入しやすいのが特徴です。

動画を作りたいけれど、制作費が高すぎる…

そう躊躇していた企業や個人でも、Vyondならアイデアをすぐに形にできます。

マーケティングやPR、社内研修、商品説明など、ビジネスの成長を加速させるツールとして活用できるでしょう。

最新トレンド

動画制作の世界は日々進化しています。特に、AIの発展により、アニメーションの制作プロセスも大きく変わりつつあります。

そんな中で、Vyondは「誰でも簡単に高品質なアニメーションを作れるツール」として、多くのクリエイターや企業に支持され続けています。しかし、この市場の拡大とともに、新たなトレンドや課題も生まれています。

ここでは、Vyondを取り巻く最新の動向をVyond5年プレイヤーの私が『技術革新』『現在の課題』『市場の動向』の3つの視点から解説します。

テクノロジーの進化

Vyondの進化を語る上で、最近の大きなトピックが AIによるアニメーションの自動生成 です。

これまでは、キャラクターの動作やシナリオを一つひとつ設定する必要がありましたが、AIを活用することで、ナレーションやストーリーまで自動で生成できる機能が登場しました。現在は会話形式の単調なアニメーションに限られていますが、今後さらに高度なストーリー構築やシーンの自動生成が期待されています。

AIで制作した語り式のVyondアニメーション

またモバイル対応も進化中です。専用アプリがリリースされ、今のところ動画の確認や動画の書き出しといった基本機能にとどまっていますが、今後スマホやタブレット上での本格的な編集が可能になる日も近いかもしれません。

さらに、新機能の追加も活発で、毎月のアップデートごとに新しいテンプレートやプロップ(小物素材)が追加されています。これにより、クリエイターの表現の幅がどんどん広がっています。

現在の課題

新機能の追加で進化を続けるVyondですが、一方でいくつかの課題も見えてきています。

最も指摘が多いのが、キャラクターの画一性です。

テンプレートを使用する以上、似たような表現になりがちで、オリジナリティの出しにくさが課題となっています。ただし最近ではクリエイターたちが独自で素材の組み合わせやカスタマイズオプションの追加で、この問題に対する改善も進んでいます。

私が制作したこの動画はsvg形式の画像ファイルを使用して作りました

とはいえVyondは直感的に操作できる一方で、細かい動きや独自のキャラクターの読み込みには制限があるため、より高度なアニメーションを求めるユーザーには物足りなさを感じる部分もあるかもしれません。

飯田さん
飯田さん

「誰でも簡単に使える」ことを最優先している設計思想の結果なので、よりカスタマイズ性の高いアニメーションを求める場合は、After Effectsなどの他ツールを使うのが得策です!

Vyondは高機能なツールですが、料金面での負担が大きいのも事実です。

WebDemoから契約(代理店)GoAnimate.incから契約(本社)
Professionalプラン
年間170,000円(税込187,000円)
Professionalプラン
年間1,099ドル
Agencyプラン
年間270,000円(税込297,000円)
Agencyプラン
年間1,799ドル

Vyondの料金について、詳しくはこちらの記事をご覧ください。

特に個人クリエイターにとっては、この年間契約の料金は大きな投資となります。

しかし、企業研修動画や広告、YouTubeコンテンツなど、活用方法次第では十分に元が取れるツールであることは間違いありません。

Vyondの市場の動向

ここ数年で、Vyondのユーザー層は企業向けだけでなく、教育機関や個人クリエイターにも広がっているのが特徴です。

特に、コロナ禍以降のオンラインコンテンツ需要の拡大により、動画の活用シーンも大きく変化しました。

これまでVyondは主に企業の研修動画やプレゼン資料で使われていましたが、現在ではSNSやオンライン学習、バーチャルイベントなど、活用の幅が広がっています。

例えば、こんな使い方が増えています。

  • SNSショート動画 :TikTokやYouTube Shortsで、短尺アニメーションを活用
  • オンライン学習教材 :企業研修や学校教育でのeラーニング教材として利用
  • バーチャルイベント :ウェビナーやオンライン展示会のプレゼン動画として活用

下記記事に私がVyondで制作したアニメーションの活用事例がありますので、興味ある方はご覧ください。

このように、単なる「ビジネスアニメーションツール」ではなく、さまざまなシーンでの活用が進んでいます。

Vyondの市場拡大とともに、他の動画作成ツールとの競争も激しくなっています。しかし、Vyondはビジネス用途に特化した機能と使いやすさを両立している という点で、他のツールと差別化を図っています。

加えて、継続的なアップデートによって、機能面の強化が続いている ことも、市場での優位性を保つ要因となっています。

Vyondアニメーションの制作の難易度

結論から言うと、Vyondの操作は誰でもできます。断言します!パワーポイントやGoogleスライド、Canvaなどを日頃から使っている人は1日で習得できるでしょう。

ここでは、初心者レベルと上級レベルの人が作るアニメーションの違いと、学習方法を紹介します。

初心者レベル

最初の1本を作るまでの流れを説明します。

Vyondには『テンプレート機能』があり、これを使えば30分程度で基本的な動画が作れます。

アニメーション制作の手順
  1. テンプレートの選択
  2. キャラクターの配置
  3. セリフの入力
  4. 簡単なアクションの追加

基本的な操作方法は非常にシンプル。画面左側のアセットライブラリから素材をドラッグ&ドロップするだけです。

キャラクターの動きも、あらかじめ用意された「歩く」「座る」などのアクションを選ぶだけ。

ただし、初心者がつまずきやすいポイントもあります。

  • タイムラインの概念を理解すること
  • キャラクターの向きや位置の調整
  • 音声とアニメーションの同期

これらは、最初のうちは少し戸惑うかもしれません。

上級者の技術

上級者になると、より高度なテクニックを駆使します。

応用テクニックとしては、

  • 複数のアクションを組み合わせた複雑な動き
  • カメラワークを活用した演出
  • エフェクトやトランジションの効果的な使用

などがあります。

差別化のポイントは、独自のスタイルを確立すること。

例えば:

  • オリジナルのカラーパレット設定
  • 独自のシーン展開パターン
  • 効果的な音響効果の活用

これらを組み合わせることで、他とは違う作品作りが可能です。

テンプレートを一切使用せずに制作したアニメーション

Vyondアニメーション制作を習得する方法

Vyondのアニメーション制作を学ぶには、目的を明確にすることが重要です。

自分のコンテンツを作るために学ぶのか、企業向けのPR動画を制作する代理制作業を目指すのか。

目的によって学ぶべきポイントは変わりますが、どちらにしても「まずは作ってみること」が何より大切です。Vyondは、手を動かしながら学ぶことで最も効率よく習得できるツールだからです。

なお、Vyondクリエイターの教育者はまだ少ないのが現状です。

私が知る限り、現在この分野で積極的に教育活動を行っているのは、私、新井さんウィズさん の3名が中心となっています。そのため、Vyondを本格的に学び始めると、どこかで私と関わることになるかもしれません。

学習のためのリソースとしては、以下のようなものがあります。

  • Vyond公式のチュートリアル(基礎から学ぶのに最適)
  • YouTubeの解説動画(実践的な使い方や応用テクニックが学べる)
  • UdemyのVyond講座(体系的に学べる有料講座)

まずはVyondを触ってみたい!という方は、1800人以上が受講したUdemyの講座を受講することをオススメします。

画像をクリックすると別タブでUdemyの画面が開きます

また、Vyondのスキルを高めるには、継続的な実践と他のクリエイターの作品研究が欠かせません。

上達のために意識したいポイントとして、以下のことが挙げられます。

  • 既存のテンプレートを研究する(どのように構成されているか分解して学ぶ)
  • 毎日少しずつでもVyondに触れる(継続がスキルアップの鍵)
  • 他のクリエイターの作品を参考にする(表現方法や演出を学ぶ)

Vyondは、学べば学ぶほど表現の幅が広がるツールです。まずは気軽に触れて、どんどん作品を作ってみましょう!

まとめ

今回の内容をまとめていきましょう。

Vyondの最大の特徴は、専門知識がなくても高品質なアニメーションが作れることです。

ドラッグ&ドロップの簡単操作で、企業向けからエンターテインメントまで、幅広い用途に対応できます。

活用のコツは3つあります。

  • 最初は既存のテンプレートを活用する
  • 目的に合わせて適切な素材を選ぶ
  • 効率的な制作フローを確立する
飯田さん
飯田さん

今後もAI機能のさらなる進化やモバイル対応の強化などにより、使いやすいツールへと発展していくでしょう!

Vyondを始めるための最初のステップは:

  • まずは無料トライアルを活用する
  • 基本的な操作方法を学ぶ
  • 簡単な動画から制作を始める

特に気をつけたい点として、年間契約となることや、素材の使用規約をしっかり確認することなどが挙げられます。

学習リソースとしては、私のUdemy講座や、公式のチュートリアル、そしてコミュニティKANATAでの情報交換がおすすめです。

以上、Vyondについての解説でした。

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この記事を書いた人

アニメーション制作ツール「Vyond」を駆使し、世界を放浪しながら動画制作を行うクリエイターとして活躍中。人生をコンテンツ化することをテーマに、Kindleで経験を発信し、教育コンテンツを展開。
現在はVyondコミュニティ「KANATA」を運営し、業界を盛り上げています!

好きな国はジョージア。

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